2024/10/24

ライブ終わって数日

先日、今月のライブが終わりました。
7月のライブと同じレストランでした。
今回は一般のお客様が9割以上でしたが、おかげさまで満席。
お客様少なかったらどうしよう…と思っていたので、とても有り難かったです。
満席で入店できなかった方々もいらっしゃって申し訳なかったのですが、着席されたかたで途中退席は誰一人おらず、最後まで皆さんお聞きいただけました。



客席自然参加型

ライブと言えど、普通は演奏者とお客様(聴衆)が区切られているものです。
しかし、変わり者の権化たる自分はそれがどうも嫌で…。
選挙演説や政見放送のように、演奏者が一方的に「聞いてくださーい」で、聴衆は聞いてるだけで曲が終わったら拍手するという構図はつまらないと思うのです。

今回は、自分のオリジナルアレンジを2曲演奏しました。
いずれも、日本人なら知っている有名な秋の唱歌です。
後述するとおり、自分はアレンジするときにただ音符を並べているだけではありません。
2曲とも自然と客席参加型になり、お客様も手拍子しながら自由に歌っていらっしゃいました。
それでこそ、自分が求めるライブの姿です。
…が予想以上にお客様たちのノリが良かったです。

そのうちの1曲は、全編Swing Jazzでアレンジしました。
お客様が手拍子してくださいましたが、表打ち(👏休👏休)の人もいれば、裏打ち(休👏休👏)の人も全打ち(👏👏👏👏)の人もいました。
全打ちの人達はおそらく、表裏の両方が鳴っていたので迷った挙句にそうなったものと思いますが。

ジャズに頭でっかちになると「Swingは裏打ち」と声高に訴えそうですが、原曲は表打ちですから、自分はどちらでも間違いではないと思うのです。
表打ちで手拍子しながら原曲通りの拍で歌っていらした方々は、それはそれで合っています。
日本の歌曲である原曲に対する思いがあれば、Swing Jazzだからってなにがなんでも裏でなければならないという思いにはならないものです。
(そもそもクラシック畑の人間なので、そのあたりは柔軟性があるかもしれません)
こちらから手拍子を促せばそれに従うでしょうから同じ手拍子にはなりますが、お客様にとっては「やらされている」になります。
みんなバラバラ=強制ではなく皆さん自由に楽しんでくれているという証拠です。

お客様への意識

歌っていたお客様が多かったので、ピアノのアドリブは歌が途切れないように敢えてメロディーをなぞって、合間に飾りを入れる程度にしました。
演奏中にお客様を意識しているかそうでないかの違いはこういうところにあらわれますし、その差は大きいです。

編曲をする際、原曲制作者のことやお聞きいただくお客様のことを想像しながら楽譜という設計図を作るのですが、今回は想像以上に盛り上がりました。
選挙演説のような、演奏者が一方的に「聞いてくださーい」で、聴衆は聞いて終わったら拍手するだけという構図は、ライブでは求めたくない。
その場にいるすべての人が参加して、ひとつの作品を演奏する。
音楽は自由ですし、誰もが参加する資格があるものです。
「コール&レスポンス」という言葉がありますが、わざわざコールせずとも自然とレスポンスがあり、皆さんにお楽しみいただけたのが伝わってきてとても嬉しかったです。

今回も楽しかった。
でもそれ以上に、嬉しかった。
だからこそ、音楽も、音楽を追求することもやめたくありません。